宮城資料ネットニュース85号(2010年8月4日)
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 ・栗原市一迫地区での歴史資料所在調査を実施しました
 ・岩手県藤沢町S家資料の集中整理作業について
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□栗原市一迫地区での歴史資料所在調査

7月31日(土)と8月1日(日)の両日、
栗原市一迫川口地区の歴史資料所在調査と保全事業を実施しました。
宮城資料ネット事務局4名でおこないました。
 
2008年岩手・宮城内陸地震の被災地である同地区は、
被災資料レスキューの過程で古文書などの歴史資料が
数多く残されているとの情報が寄せられていた地域です。
 
昨年度、栗原市教育委員会や山形大学地域教育文化学部
(元東北大学大学院工学研究科)永井康雄教授と協同で実施した
歴史資料所在アンケートを基に、所在調査および保全活動を実施しました。
 
今回の活動では、当該地区の領主仙台藩重臣遠藤家の家臣であった、
I家・S家・K家・T家・O家の5家の資料を保全しました。
近世初頭から昭和期にいたる、合わせて400点ほどの古文書を中性紙封筒へ詰め替え、

1点ごとにデジタルカメラでの撮影をおこないました。
そのほかにも古文書をお持ちの方がいらっしゃるとのことでしたので、
今後も継続してこの地域の所在調査をおこなっていく予定です。
 
各所蔵者の方々に仲介していただきながら実施した今回の活動では、
地元に残る「遠藤家家中」としての繋がりを改めて感じることになりました。
二日目の所在調査の実施中に、前日お邪魔したお宅の御当主が調査先にお出でになり、

そこの御当主に我々の活動趣旨をお伝え下さると、新たに古文書を出していただいた、

ということもありました。このようなお力添えのおかげで、多くの貴重な歴史資料に巡り会い、
保全活動をおこなうことができました。活動の過程でお世話になった地元の皆様に
喜ばれるような保全活動を、今後とも目指していければと思います。
 
 

□岩手県藤沢町S家資料の集中整理作業

去る7月4日(日)、岩手県藤沢町S家資料の保全活動を、NPO法人の
事務局のある東北大学東北アジア研究センター436会議室で実施しました。
当日は宮城資料ネット会員を中心に総勢25名の参加者を得ました。
 
同家資料については、半年間で半数ほどの保全を終えておりましたが、
膨大な文書群であり、所蔵者から長期の借用となっていることもあり、
緊急での集中作業となりました。その結果、1日間で1000点近くの保全を
おこなうことができました。残りの資料につきましては、
毎週3回の作業で速やかに保全措置をおこなっていきます。
 
急な呼び掛けにもかかわらず、多くの方々にご協力をいただくことができました。
活動報告が遅くなってしまったことをお詫びするとともに、
ご協力いただきました皆様に改めて御礼申し上げます。
                                (天野記)
 
 
 
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