2013年6月13日、福井県文書館で行われた資料保存研修会に参加しました。
史料ネットからは、奥村弘(代表委員)が講演を行い、吉原大志(運営委員)が水損資料の応急処置ワークショップを行いました。 この研修会は、福井県内の資料保存に関わる現場(図書館・文書館・資料館・博物館など)で勤めている方々を対象に、毎年行っているとのことでした。

福井県では2004年に豪雨水害が発生し、これを機に福井史料ネットワークが立ち上げられました。史料ネットにとって初めての水害対応経験が、実はこのときの福井ネット立ち上げ支援です。
その意味で、現在の史料ネットによる水害対応の原点は、2004年の福井水害と福井史料ネットの設立にあると言うこともできます。奥村の講演では、こうした水損資料保全活動の契機としての福井史料ネットの意味と、今後への期待を話しました。

ワークショップでは、古文書サンプルを水に濡らし、キッチンペーパーによる吸水乾燥作業を実演しました。 また、台所で使う水切りネットを資料を保護するための不織布に転用できることや、 吸水速乾タオルも乾燥作業に使えることなど、簡単に入手できるもので水損資料の初期対応が可能であることを話しました。

この後、4つのグループに分かれて、自身の職場での災害対策や、日常的に困っていることなどを、 参加者どうしで議論するラウンドテーブルの時間がありました。 奥村と吉原も参加させていただきましたが、災害時だけでなく日常的な保存環境の課題などがそれぞれの現場に即して紹介されており、とても勉強になりました。

また、図書館では、返却された図書が飲み物や雨で濡れることがよくあるとうかがいました。この日も図書館職員の方が多く参加されていましたので、これからのワークショップに備えて、通常の図書の応急処置方法についても改めて勉強し直したいと思います。

お声掛けいただいた福井県文書館のみなさんと、参加者のみなさん、 どうもありがとうございました。