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11月7日(金)に関学で行われた水損ワークショップの模様を紹介いたします。

◎ワークショップの位置付け
 このワークショップは、大学コンソーシアムひょうご神戸の平成20年度社会連携事業
「水害で水損した歴史資料の保全・修復ができる人材の育成事業」の一環として行われています。
 史料ネットはこのワークショップにノウハウや消耗品提供のかたちで後援しています。

◎コンソーシアム事業のねらい
 2004年の台風23号が兵庫県内に大きな被害を与えた際に、
史料ネットと大手前大学・神戸大学は、県下の大学・自治体・一般市民と協力しつつ、
水損史料の救出・保管・乾燥といった一連のノウハウを確立してきました。
 このコンソ事業では、これまでの実績に立ちつつ、
昨年度よりさらに枠組みを広げ、大手前・神戸・神戸女子・甲南・関西学院の5大学が、
地域社会と連携して、水損史料の保全・修復ができる人材(学生・社会人ボランティア)を育成するための実践をさらに推し進めることになりました。

◎11/7 第1回水損歴史資料ワークショップ
・日時:2008年11月7日(金)3,4限
・場所:関西学院大学文学部棟
・参加者:3限(約15名)、4限(約50名)

東谷智さんと鎌谷かおるさんの授業時間を利用してワークショップを行いました。
東谷さんは「歴史資料の保存と修復」と題して
・たんなる「モノ」が「歴史資料」へと研究者の意味付与によって資料化
・歴史資料が保管中に破損する事例
・史料の保存修復学が、現実には指定文化財以外にまで適用するのは困難
・身近にできる史料修復としての今回のWSがある
という流れでお話ししてくださいました。
鎌谷さんは史料ネットの水損史料保全活動を紹介しながら、具体的な吸水方法を解説してくださいました。

(ま)は、お手伝いで参加しました。
参加した学生さんは熱心にキッチンタオルで吸水乾燥の練習をしてくれていました(^^)
アンケートが楽しみです。

◎具体的な吸水方法 (当日配布のレジメを参照しました)
(1)用意するもの
・市販の和紙で作成したサンプル史料
・ペーパータオル
・新聞紙
・パレット
・へら、ピンセット
※実際の被災史料を扱う場合は、マスク・ゴム手袋・霧吹き・エタノールが必要です

(2)注意すること
・歴史資料は一度壊してしまうと完全にはもとに戻ることはありません。「大切に扱う」ことを忘れずに。
・指輪や時計などアクセサリー類ははずすこと。
・ツメは短く切って、マニキュアはしない。
※実際の被災史料を扱う場合は、以下の点にも注意してください
(水損史料は、生活排水による細菌やカビの発生により汚損していることがあります)
 ・マスクを着用する
 ・作業する部屋は、常に換気をすること
 ・休憩を多く取る
 ・作業終了後、うがいと手洗いを忘れずに

(3)作業の手順
・史料の状態をチェックする
・新聞紙やペーパータオルで史料をくるみ、全体の水分をとる
・作業台に新聞紙を敷き、その上に史料をのせる
・冊子の場合、開きそうな箇所を見つけて、開いてみる
・開いた頁にペーパータオルを挿入して、一度冊子を閉じる。
・表紙の上にペーパータオルを置いて上から軽く押さえて水分を抜いていく。この作業を繰り返す。
・史料を触った時に、水分が手のひらに移らなくなったら作業は終了。風通しの良いところで陰干し。

◇◆コンソに関する問い合わせ先◆◇
大手前大学史学研究所連携担当(魚津さん)
〒662-0965 西宮市郷免町8-17
FAX:0798-32-5045
受付用e-mail:oteshigaku@gmail.com