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遅くなりましたが、10/17に宍粟市一宮町で行った活動報告です。(ま)

・参加:中野・吉原・中岡・和木・前田さん@県博・閏賀区長さん・松下

・一宮町閏賀自治会所蔵絵図の修復作業
 今回は、史料洗浄のために解体した絵図の糊付け作業を行いました。
 手際よく作業を進めることができ、一日で糊付けは終了し、区長さんに絵図をお返しすることができました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。乾燥終了後、中性紙箱で保管していただくこととなっています。ただし、今回の糊付け・補修作業は応急処置的なものですので、将来的には専門業者による修復を必要とする旨もお伝えしました。

<作業手順>
 ①補修前にデジカメ撮影
 ②虫喰いや折り目に伴う破れのひどい欠損部分を穴埋め
 ・補修用和紙を欠損部分に合わせて切り裂き、毛羽立たせる
 ・和紙の周囲を糊付けし史料の裏面からはめ込むように埋める
 ・糊は洗濯糊を使用、水を混ぜながら糊付け
 ③補修が終了した用紙を前回記録したスケッチどおり一列ずつ糊付け
 ・文字や区画線がどうしてもずれるので、中央部分より糊付け
 ・ズレの部分は文字や区画線のない部分で矛盾を調整
 ④接続確認のため仮付けしていた和紙の付箋をはずす
 ⑤接続した絵図の撮影

<課題>
 ・用紙の接続の際に、のりしろに過不足が生じるなど、「ズレ」が見られました。
  やはり、洗浄・乾燥の際にできるだけしわを伸ばしておくこと
  穴埋め処置の際に、用紙を平滑になるようにすること
  が大事だとわかりました。
  ただし洗浄した時点で紙のサイズが変わってしまっている可能性もあり、
  また、折り目部分はしわを伸ばしきるのが難しく、完全な復元は難しいと思いました。
 ・場所によっては文字と区画線のいずれかを優先して接続せざるをえなかったこと
  基本的には文字の接続を優先、無地の箇所で「ズレ」を解消
  修復前のデジカメ撮影画像と見比べながらできるだけ原状に復元することが大事だと思いました。
 ・もとの折り目の確認ができなかったので、解体前のスケッチの段階で
  「山」「谷」を記録する必要があると思いました。  

 のりしろ部分に文字が書いているなど、面白い発見もありました。つまり、用紙を貼り継いでから文字や絵や線を描くのではなく、一紙の状態の時にあらかじめ書いておいてから接続することもあったようです。これは解体して初めて分かったことでした。

次回は11/2,3に佐用で活動をおこないます。(ま)