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■ふくしま歴史資料保存ネットワーク発足式
・日時:2010年11月27日(土)
・会場:福島県文化センター2階会議室
 
・次第:
13:00~13:50 挨拶・趣旨説明
14:00~15:30 講演「災害文化と地域歴史遺産-阪神淡路大震災から考える-」奥村弘
15:40~16:30 意見交換会
 
(1)「ふくしま歴史資料保存ネットワークの趣旨とイメージ」ということで
事務局の本間宏さん(福島県文化振興事業団)からご説明がありました。
そこでは、
・「ふくしま文化遺産保存ネットワーク」の過去の活動と生じた課題、同ネットを発展的に解消し新ネットに移行すること
・2010年に入り、新たに「ふくしま歴史資料保存ネットワーク」に改組すること
・県内の資料保存に関する現状の説明
・新ネットの目標
・現在の活動上の課題
について述べられました。
 
(2)奥村講演では、
・阪神大震災を歴史として伝えるという考え方の登場について
・阪神大震災以降の歴史資料保全活動の展開と史料ネットの活動について
・地域歴史遺産の保全と活用のために、地域文化遺産という考えが登場してきたこと、地域遺産を大規模自然災害から守ることと、逆に大規模自然災害から地域を守ることが密接に関連していること
・大規模自然災害時に地域遺産をいかに保全すればよいのかという点について、博物館や大学、文書館などの役割を提示されました。
 
(3)報告後の質疑応答や意見交換会では、
市民の方や行政・大学関係者の方からネットや資料保存あり方に関してたくさんの質問がでました。
・史料の価値(大事だと思う物)は時代により変わるが全部残すのか?
・史料のデジタル化が主流となっているがどう思うか?
・地域住民や自治体や専門研究者など多くの人々の間で保全すべき史料に関して、どのように共通認識を作るのか?
・未来に「歴史資料」となるはずの現代の史料をどのように残せばいいのか?
・現用の公文書に関しても将来的に保全するのか?
・全て残す場合に保管場所をどのように確保するのか?博物館などでは燻蒸の問題はないのか?
・県として地方文書の悉皆調査の予定はないのか?
・個人や神社の史料を保全・修復して欲しいなど、個人的な要望にどこまでこたえることができるのか?
などです。
どのご質問もご意見も資料保存の具体的な現場の声として貴重なものでした。
 
私も水損史料の保全や表具屋さんなどとの連携の仕方などについて意見を述べました。
このふくしまネットの活動がこれからも活発に展開していくことをお祈りしています。
また、史料ネットとしても連携できればと考えております。今後ともよろしくお願いします。
このたびは、「ふくしま歴史資料保存ネットワーク」の発足、おめでとうございました。
 
細かい経緯については、同ネットのホームページ(福島県文化振興事業団内)をご覧ください。(ま)