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宮城資料ネット・ニュース13号(2003/10/20発行) |
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鳴瀬町で被災状況調査を実施しました
10月19日に16人が参加
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* 10月19日(日)に鳴瀬町で被災状況の現状調査を実施しました。参加者は仙台から9人、石巻古文書の会から3人、地元の文化財保護委員の先生方4人でした。ありがとうございます。
* 事前に作成した調査リストをもとに、鳴瀬町の文化財保護係長さんが町内の住宅地図に訪問先をマーキングして下さいましたので、迷うこともなくたいへん助かりました。あつく御礼を申し上げます。
* 調査リストでは古文書・古物・板碑などを含めて55件をリストアップしましたが、文化財保護委員長から、板碑については1基が倒れただけであとは大丈夫とのお話がありましたので、今回は板碑を除いて調査をしました。それでも調査件数は42件にのぼりました。
* 町内調査は地区ごとに5グループに分けておこないました。お留守のお宅もありましたが、古物・古文書ともにおおむね大切に保管されていました。また数軒のお宅から、漢籍や手習本、明治期の貸金証文などが新たに確認されました。
* この地区は今回の地震でも相当に被害を受けていますが、昭和53年(1978年)6月12日の宮城県沖地震(ニチュード7.4<震度5>)のときにも大きな被害を受けて家を建て替え、そのときに文書類を焼却したというお宅がありました。地震被害時における歴史資料の喪失という事実を改めて認識させられました。
* お訪ねしたお宅では、この調査に大いに関心をお示しになり、熱心にこの地区のことやご自分の家の由緒などを語ってくださる方も少なくありません。お若い方より年輩の方が対応してくださったときには、なおさらそうです。あそこが渡船場でね、いまも杭が残っているよ、江戸時代の街道は町内のここを曲がってこういくんだよ、子どものころにはあの橋から川に飛び込んで太平洋まで泳いでいったもんだなどと。町内の地図を前にそうしたお話を聞いていると、この地域の生きた歴史がよみがえってくるような思いを体験します。
* 地震で損壊したために今も不通になっている鳴瀬川の小野橋は、昭和12年にいまの橋に付け替えられたのだそうですが、そのときに取り壊された橋げたの材木数本を大切に保管されている方もおられました。その古い橋げたを前に、板が割れて自動車が何台も川に落ちたもんだなどとお聞きすると、妙にリアリティがあります。このお宅は全壊指定を受けましたので、もうじき取り壊すとのことでした。
* この地区の歴史のことならあの方がよくごぞんじですよ、あのお宅には史料があるのではないかなどと、別なお宅を紹介して頂くことも、しばしばあります。これも実際に歩くことによって得られる貴重な情報でした。
* 今年7月の地震による同町の被害は、全壊452軒、半壊970軒、一部損壊2013軒となっていますので、被害の大きさがわかると思います。裏通りの道路はまだ陥没したままのところがあり、道路ぎわの崩落したガケなども揺れの大きさを実感させるものでした。
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* 次回は11月1日(土)に、矢本町の現状調査に入る予定です。これについては別途ご連絡しますので、皆様のご参加をお願い申し上げます。
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