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■連絡先 〒790-8577 松山市文京町3愛媛大学法文学部寺内研究室気付 愛媛資料ネット ■台風10,15,16号被災地での被災史料保全活動 <愛媛資料ネットの近況報告 寺内浩> 台風15号に伴う集中豪雨は県内各地に大きな被害をもたらしたが、新居浜市多喜浜地区の土石流被害は特に大きく、予讃線が同地区 で一週間にわたって不通になるほどであった。多喜浜は江戸時代中期から昭和30年代まで塩田が広がっていた地域で、かつて塩田経 営を行い、古文書等を保有する旧家がいくつもあることで知られている。そこで、同地区に詳しいメンバーを中心に資料の確認調査を 緊急に行ったところ、多くの家の資料は無事だったが、大きな被害を受けた家の資料は一部未確認であり、現在も調査中である。 台風15号に続いて台風16号が四国を襲い、大洲市で肱川が氾濫した。被災地の多くは新興の商業・住宅地であったが、被害は一 部旧村にも及び、阿蔵地区にある八幡神社の私塾古学堂(市指定文化財)が床上浸水した。八幡神社は大洲・新谷両藩の総鎮守である とともに、古学堂は幕末期に多くの国学者等を育成したことで知られている。大洲は水害の多いところとして有名だが、この地区にと って今回の水害は戦後最大規模であった。私が古学堂に行ったのは水がひいてしばらくたってからのことだが、畳の上約60センチほ どのところまで水に浸かった跡が壁にくっきりと残っていた(書籍等は別屋にあり無事が確認されている)。 このように、愛媛県では大規模な水害が相次ぎ、愛媛資料ネットでは、芸予地震の時と同様、このままでは家々に残されている歴史 資料が破棄・処分されてしまう恐れがあると判断し、そうした事態を防ぐため、9月8日付で以下のような「集中豪雨被災地における 歴史資料保全のお願い」をマスコミを通じて公表した。愛媛資料ネットは、現地の教育委員会や地域史研究団体と連携しながら、今後 も被災地での活動を続けていく予定である。皆様のご協力よろしくお願いします。 ■集中豪雨被災地における歴史資料保全のお願い(2004/9/8) ■愛媛資料ネット活動記録 【2004年】 |