先日、鳥取県での地域防災計画(案)に関するパブリックコメント実施についてご案内しましたが、事務局でも調べてみたところ、少なくない自治体で意見募集が日々開始されているようです。
ついては、以下の条件での検索結果をRSSとして配信しますので、ご参考までにご確認下さい。また、特に注意したいものがあった場合は、別途ブログの記事にしたいと考えております。
なお、史料ネットでは、2012年3月に大阪府のパブリックコメントが行われた際に、下記のような意見を提出しております(参考:大阪府)。あわせてご参照いただけば幸いです。
地域防災計画関連の意見募集
公文書管理条例関連の意見募集
新着の情報
大阪府地域防災計画(案)での提出意見と府の考え方(2012年3月)
大阪府に提出した意見
私たち歴史資料ネットワークは阪神・淡路大震災を契機に歴史学関係者によって結成されたボランティア団体で、被災地における文化財の保全活動や、各地で展開される同様の活動の支援に取り組んでいます。今回の修正案で「災害予防対策」の2章1節第3に「災害教訓の伝承」が盛り込まれたことを評価しつつ、以下2点を意見として提出します。
1 行政文書の管理について
政府の対策本部等で議事録未作成が問題となったように、災害教訓の伝承という点からも行政文書の管理が重要です。府は「諸活動を府民に説明する責務」(情報公開条例附則)をうたいつつ、意思決定にあたって文書を作成することを明記していますが(文書管理規則13条)、「経緯も含めた意思決定に至る過程」や「事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができる」(公文書管理法4条)といった点からの文書作成は義務づけていません。府民が検証可能な形で、行政の諸活動についての記録が作成されないことが懸念されます。重要な記録が意思決定過程も含めて着実に作成・保存・公開されるよう、文書管理に関する平時からの研修や公文書総合センターの体制の充実を求めます。
2 地域の未指定文化財の保全について
従来の地域防災計画での文化財に関する言及は指定文化財が中心でした。しかし旧家や自治会に長年保管されてきた古文書や民具等は、未指定であっても家や地域の存在とその固有の歩みを明らかにする貴重な地域遺産です。これらは被災者の心のよりどころとして復興には欠かせない重要な要素ですが、被災地ではいちはやく処分されるのが現状です。廃棄を防ぐためには、災害に備えた予防的措置や、災害時の応急的な対応が重要です。例えば新潟県地域防災計画では未指定文化財に関する県・市町村それぞれの対策が明記され、教育委員会や博物館等の関連組織が実際に活動しています。また、2月に開催された歴史資料保全ネットわかやま主催のフォーラムでは①災害発生以前から県・大学・博物館・文書館・図書館の協議機関を設けて協議を行うこと②緊急時における文化財担当職員等の主担当業務に未指定を含む文化財レスキューを明記すること③災害発生後においてはボランティア参加による取組の充実を視野に入れて市民を含む協力者を確保すること、等が提言されました。これらを参考に、府の地域防災計画に未指定文化財への取り組みを明記することを求めます。
大阪府としての考え方
1 公文書管理について
過去に経験した大災害における被災の状況や自治体の対応、府民生活への影響等について、資料等を適切に管理・保存し、被災の経験や知恵を的確に継承することは、将来の災害対応に活かすという観点から必要であると考えております。
今後、府の災害対応等においても、府の規程に沿って、適切に文書の作成や管理等を行い、それらを次の災害対策に活かしていきたいと考えています。
2 未指定文化財への対応について
府地域防災計画では、府民にとってかけがえのない遺産である文化財を災害から保護するため、府及び市町村は、防災意識の高揚や防災施設の整備等を図ることとしています。
未指定文化財の保全については、所有者・管理者を含め、広く府民全般に対して、啓発等を通じて、意識の高揚や必要な情報提供を行っていきたいと考えます。また、例示された事例等をも参考としつつ、国の防災基本計画の修正状況も勘案し、必要に応じて、府地域防災計画への反映も検討していきます。
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