岡山史料ネット・岡山大学文学部科学研究費補助金基盤研究(S)「大規模自然災害時の史料保全論を基礎とした地域歴史資料学の構築」が主催するフォーラムのお知らせです。事前申し込みは不要とのことです。

チラシはこちらから。

 

「大規模自然災害に備える―災害に強い地域歴史文化をつくるために―」

・日時:2013年3月2日(土) 14時~17時30分
・場所:岡山大学文化科学系総合研究棟2階・共同演習室
(岡山市北区津島中3丁目1-1/津島北キャンパス)

・趣旨:
東日本大震災以降、被災地の個人や地域の歴史文化を未来につなぎ、崩壊の危機を
むかえた地域社会の再生のために、あらためて地域歴史資料が注目されている。こうした
地域歴史資料を自然災害から守るために、私たちは災害発生時にどのような対応をすれ
ばよいのだろうか。また、災害に備えて日常から資料保全をめぐってどのような準備を進め
ればよいのか、あらためて考える時がきている。
阪神・淡路大震災以降、隔年規模で起こる大規模な地震や風水害の被災地域で、災害
から地域歴史資料を救出保全する資料保全団体が生まれ、各地で資料保全の取り組みが
展開されてきている。
こうした全国的な動きのなか、災害時における地域歴史資料の滅失を「予防」するため
には、「災害後の資料保全から、災害前の防災対策」が重要であることが、社会的な広がり
のなかで認識されてきた。2005年には、災害発生以前に予防的観点から歴史資料保全を
進める団体として岡山史料ネットが結成され、その後も山形や福島などで同様の「予防ネット」
が設立されてきている。
東日本大震災では、災害時の歴史資料保全のあり方とともに、災害に備えた「予防」の
重要性があらためて問い直された。この大震災をきっかけに、神奈川・和歌山・徳島などでも
予防ネットが設立されるなど、地域歴史資料をめぐる「予防」に向けた動きがより大きくなって
きている。
本フォーラムでは、災害前の歴史資料防災の取り組みを先進的に進めてきた岡山や大分
などの事例から学び、今後予想される大規模・広域災害に備えて効果的に歴史資料を保全
しうる予防のあり方について議論を深めたい。それを通して、災害に強い地域の歴史文化を
形成し、豊かにしていくために私たちは何ができるのかについて考えたい。
・プログラム:
<基調講演>
・倉地克直(岡山大学) 「「身の丈」の歴史学-記憶・記念物・拠点-」
<報告>
・定兼学(岡山県立記録資料館)    「模索する岡山県地域」
・首藤ゆきえ(井原市文化財センター)「自治体史編さん後の資料保存活動について」
・村上博秋(大分県立先哲史料館)  「防災的観点からみた「大分県記録史料調査事業」」
・新和宏(国立歴史民俗博物館)  「東日本大震災が我々に投げかけた課題-千葉の資料ネットの取り組みと、課せられた使命-」
<コメント>平川新(東北大学)・矢田俊文(新潟大学)
<パネルディスカッション>コーディネーター:奥村弘(神戸大学)・今津勝紀(岡山大学)

 

・主催:
岡山大学文学部
岡山史料ネット
基盤研究(S)「大規模自然災害時の史料保全論を基礎とした地域歴史資料学の構築」(被災地フォーラム)
・共催:
岡山県立記録資料館
岡山地方史研究会
岡山近代史研究会