滋賀大学の青柳周一さんからのお知らせです。このたび滋賀大学経済学部附属史料館では、下記の要領で企画展「東日本大震災5年 近江商人とみちのく」を開催するとのことです。どうぞご覧ください。

滋賀大学経済学部附属史料館 平成28年度企画展「東日本大震災5年 近江商人とみちのく」

〇会期:10月11日(火)~11月11日(金)  ※土・日・祝日休館(ただし、10/22・11/5・6は開館)

〇時間:9時30分~16時30分

〇場所:滋賀大学経済学部附属史料館1階展示室

☆関連講演会
10月22日(土)13:30~ 於 滋賀大学彦根キャンパス総合研究棟〈士魂商才館〉3階セミナー室
「中井家文書にみる江戸時代仙台の災害」
佐藤大介氏(東北大学災害科学国際研究所)
☆ギャラリートーク
10月22日(土)は15:10~16:10
10月13・14・27・28日、11月10・11日(いずれも木・金)は12:30~13:00

※入館無料です。

(チラシPDFファイルの共有URL)https://drive.google.com/file/d/0B7uEOtIu7yJeLWZBLTZfTG9IV28/view

2011年3月11日に東日本大震災が発生してから、5年が経ちました。被災地から遠く離れた滋賀の地で暮らす我われにとって、震災の記憶は日増しに遠くなっていくようです。しかし、マスメディアが「復興」を強調するにも関わらず、被災地現地では依然として多くの人びとが震災前の生活を取り戻すに至っていません。また一向に終息しない原発事故の影響や、復興格差の問題も未解決のままです。

こうした中、被災地の住民の方々は、地元の歴史や伝承、民俗芸能などについて自ら学び、受け継ごうと取り組んでいます。そこには、震災や津波によって以前の姿を喪失した「ふるさと」の歴史や文化を甦らせて、もう一度「ふるさと」を自らの手に取り戻し、次の世代にも引き渡したいという想いがあるのでしょう。そして現地の歴史研究者は、震災によって被災した古文書など歴史資料をレスキューし、それらを用いながら地域の歴史を復元して、住民の方々と共有することを目指す試みを続けています。

ところで、江戸時代の近江商人は北関東や東北地方で盛んに活動したため、かつての商家に伝わる史料群には、被災地となった地域の歴史が記録された史料が数多く含まれています。そこで、今年度の滋賀大史料館での企画展では、陸奥国の仙台(宮城県仙台市)へ近江国の八幡から進出した谷口兵左衛門家と、仙台のほか石巻(宮城県石巻市)や中村(福島県相馬市)にも出店を構えた蒲生郡日野の中井源左衛門家を取り上げることにしました。両家の史料を用いて、近江商人が見た仙台・石巻・中村をはじめとする東北各地の歴史を復元して、いま被災地で行われている取り組みにささやかながら協力したいと考えます。

江戸時代の昔から、近江国とみちのく―滋賀県と東北地方の間には、とても密接な結びつきがありました。本展をご観覧いただきながら、距離と時間を超えてつながる地域同士の歴史を想像していただければ幸甚です。

〇お問い合わせ  滋賀大学経済学部附属史料館  〒522-8522 滋賀県彦根市馬場一丁目1-1
TEL/FAX 0749-27-1046 E-mail:shiryo@biwako.shiga-u.ac.jp

(史料館HP)http://www.econ.shiga-u.ac.jp/main.cgi?c=10/1:1