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■「水害から歴史資料・書籍・写真をまもる」フォーラム(大学コンソーシアムひょうご神戸 社会連携助成事業「水害で水損した歴史資料の保全・修復ができるボランティアの養成事業」)が開催されました!

主催:兵庫県内5大学文化財系連合(神戸大学・関西学院大学・甲南大学・神戸女子大学・大手前大学)
共催:大手前大学史学研究所オープン・リサーチ・センター
期日:平成21年3月29日(日)ワークショップ10:00~ フォーラム13:30~
会場:深江会館(神戸市東灘区深江本町)阪神深江駅 南東1分
内容:
【第1部】10:00~12:00 水損歴史資料ワークショップ
(水損史料の応急的救出法についての講義・実習)
【見学】 13:00~13:25 神戸深江生活文化史料館見学
【第2部】
13:30~17:00 フォーラム 「水没した館蔵資料・書籍・写真の救出と保全―平成16年福井豪雨の教訓―」
13:40-14:40 福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館館長 水野和雄氏
「福井豪雨災害とその復旧から学んだこと~特別史跡・特別名勝一乗谷朝倉氏遺跡の場合~」
15:00-16:00 株式会社堀内カラーアーカイブサポートセンター所長 川瀬敏雄氏
「水害被災写真原版の救済について」
16:10-17:00 討論

史料ネットからは、水損歴史資料のワークショップ講師として河野が参加しました。今回は、書籍や写真など、現代資料についても水損させて、ペーパータオルによる吸水乾燥を行いました。現代資料は、乾燥段階でよれや歪みが生じるため、和紙を乾燥させるよりも技術的に難しいことを実感しました。
午後のフォーラムでは、福井水害の被害状況とともに、写真原版が水損した場合の処置方法をご報告いただきました。水野氏のご報告では、福井県の文化財については、被災する以前に国・県・市という行政の間での役割分担が構築されていたため、保全活動がスムーズに行われたということが紹介されました。様々なレベルにおいて、日常時から連携をとることの重要性を改めて感じました。
また、川瀬氏からは水損した写真原版の修復方法について、ご報告がありました。写真原版は水に対して非常にデリケートであるため、「水に濡れる前に予防することが重要」と繰り返し説かれていたことが印象的でした。マイクロフィルム等も写真原版と同様で、「濡れたら最後」と考え、「とにかく予防を」とのことでした。素人でできる範囲での処置方法をお尋ねしたところ、万一濡れてしまった場合は、専門家に渡す前にとにかく乾燥させることが重要だそうです。乾燥方法は、いずれ史料ネットでも実験してみる必要があるかもしれません。
当日は、午前・午後あわせて30名ほどの方が参加されました。市民の方のほか、自治体職員、文化財修復の専門家まで様々な方に参加いただき、ワークショップでも午後の討論でも活発な意見交換が行われました。歴史資料保全の輪の広がりを感じたフォーラムでした。