神奈川大学日本常民文化研究所からのお知らせです。

東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市大島漁協の資料が、研究所など関係者の皆様のご尽力により、現地に返却され「大島漁業史文庫」に収蔵されるはこびとなりました。これを記念した講演会が以下の要領で開催されるとのことです。詳細は下記の主催者までお問い合わせ下さい。

気仙沼大島における第一回 漁業史文庫を語る会

趣旨

気仙沼大島では旧大島漁協に明治以来の漁協資料が整然と整理され保管されていた。これらは明治大正昭和を貫いて村長を務めた菅原熊治郎氏をはじめ島の先人たちの努力と精進の結晶であり,大島地域社会の財産である。一方でこれらは漁業権と近代漁法の成立変遷や、漁村地域社会、漁業制度の研究には欠かせない資料であり、網野善彦氏をはじめとする多くの海村の学究にとって貴重な文献で
もあった。
3.11大津波によって漁協(宮城県漁協大島支所) は被災したが、冠水した資料は何とか建屋内にとどまった。神奈川大学日本常民文化研究所と教員大学院生が2011年5 月より、資料の洗浄作業を開始し、文化庁の文化財レスキュー事業により、奈良文化財研究所の協力も得て300箱におよぶ資料の乾燥復旧と分類整理作業を2012年7月完成した。
このたびこれら資料が大島に帰還する。これら資料は今後神奈川大学と三井物産環境基金の協力を得て漁協支所に併設して建設される大島漁業史文庫に収蔵される予定である。これらの資料の意義について学び、また大島の復興を考え、あわせて大島の地域文化の将来を多くの人々で語りあう場としてこの語る会を企画する。

日時・会場
  • 日時 2012年11月4日(日曜日) 13:00-16:30
  • 会場 大島開発総合センター(宮城県気仙沼市字中山115-4)
プログラム
  • 開会  村上俊一(大島漁協運営委員長)
  • 挨拶  「大島漁業史資料整備のいきさつ」水上忠夫(大島漁協前運営委員長)
  • 報告1 「神奈川大学による資料再生と文庫建設」 田上繁 (神奈川大学)・重村力(同)
  • 報告2 「大島の漁業の発達と漁業史資料」千葉勝衛(郷土史家)
  • 報告3 「気仙沼大島の漁労・社会・民俗から」川島秀一(神奈川大学)
  • コメント「 大島の文化の掘り起こし」堺健 (旅館黒潮/ 大島宝島代表)
  • 討論 (各報告者・挨拶者・コメンテーター / 司会=田上・重村)
  • 閉会  小野寺和彦(宮城県漁協大島出張所長)
お問い合わせ先
  • 神奈川大学重村三笠研究室 045-481-5661(内線3434)
  • 宮城県漁協大島出張所 0226-28-2002