徳島ネットの町田哲さんからのご案内です。3月15日に、徳島県文化財保存整備市町村連絡協議会と県博物館協会と徳島ネットが以下のような「文化財の防災に関する共同宣言」を締結するとのことです。これを記念する講演会が以下の要領で開催されます。今後の展開が期待されます。
以下、町田さんからのご案内です。
3月15日(土)に『文化財の防災に関する共同宣言』を締結します。
徳島県文化財保存整備市町村協議会の担当事務局である徳島県文化財保存整備市町村協議会の担当事務局である鳴門市教委の下田智隆さんより、同会と県博物館協議会と本会との3者による共同宣言についての締結式および記念講演会についてご連絡をいただきました。本会は共催団体とさせていただき、本会からは代表高橋啓先生に調印いただきます。
講演会には、設立集会でもミニ報告を戴いた神戸大学の板垣貴志さんにご講演いただきます。板垣さんからは、レスキュー活動の実際はもちろんのこと、兵庫県内の自治体における未指定文化財の把握状況や、昨春の淡路地震時での対応など、お話いただけるのではないかと思います。なお板垣さんは、本業の近代史研究で『牛と農村の近代史: 家畜預託慣行の研究』(思文閣出版、2014年1月)を上梓したばかりの、新進気鋭の研究者でもあります。
今後の活動にむけて、ぜひふるってご参加いただければ幸いです。
ただ、共同宣言締結後の具体的対応については、まだまだ未知数で、今後、三者でつめていく必要はあります。
年度末のお忙しい時期ではありますが、徳島史料ネットとしても一大行事。皆様ぜひぜひご出席いただきたくお願い申し上げます。
記
- テーマ 『文化財の防災に関する共同宣言』締結式・記念講演会
- 日時 3月15日(土)13:30-16:10
- 場所 鳴門市役所 共済会館 大会議室
- 内容
- 13:40-14:10 締結式
- 14:20-15:50 記念講演 板垣貴志氏(神戸大学大学院人文学研究科 特命講師)「地域資料を災害から守りまちづくりに活かす―自治体文化財担当職員に求められていること―」
- 主催 徳島県文化財保存整備市町村協議会
- 共催 徳島県博物館協議会、歴史資料保全ネットワーク・徳島
文化財の防災に関する共同宣言
地域に存在する歴史資料は、そこに内包された地域の記憶により、それぞれのユニークな地域らしさをかたちづくる基礎資料である。それらは、一度失われてしまえば取り返しのつかないものであり、平成23年3月に発生した東日本大震災でも、多くの人命・財産とともに数多くの歴史資料もまた永久に失われた。津波の恐ろしさを再認識させられたこの事例のほか、阪神・淡路大震災などの大規模災害をしばしば経験することとなった近年にあって、災禍による地域アイデンテ ィティ喪失の傷は非常に大きいといわざるを得ない。
これまで、歴史資料を保存公開する場として図書館・博物館・文書館などが所期の機能を果たしてきた。そして災害が頻発した近年の経験を経て、地域の記憶の重要性とそれが失われることへの危機意識が高まった結果、歴史資料を災害から守り、救うことを目的として専門研究者を中心とした民間ボランティア組織が各地で結成され、東日本大震災をはじめとする大規模災害時に一定の成果をあげている。
現在、列島各地で近い将来の地震発生可能性が指摘され、本県においても南海トラフ巨大地震などの危険性が絶えず語られている。また、平成23年に台風6号により県内各地の文化財に被害が出たこともまだ記憶に新しい。このような災害から歴史資料を守るための対策を講ずることは、本県の文化財保護上の重要課題である。
かかる状況を受け、文化財保護活用における市町村の紐帯として設立された「徳島県文化財保存整備市町村協議会」と、県内における歴史資料防災を推進するために設立された「歴史資料保全ネットワーク・徳島」、歴史資料を含む地域の文化・自然に関する多様な資産を保存・活用する博物館等の連携のために設立された「徳島県博物館協議会」とは、 「文化財、そして地域の歴史を守 り伝える 」という共通の目的に向け、下記の諸点について連携して推進していくことを、ここに宣言する。
1 文化財関係ネットワークの構築
文化財防災における実効ある体制構築のため、県内の全市町村と文化財関連諸機関のネットワークを整備し、円滑な情報交換をはかる。
2 歴史資料基礎情報の整備
災害時の効率的な被害確認や平常時の文化財保護活動に資するため、各地域の歴史資料について所在地・内容などの基礎情報を整備し、共有する。
3 被災文化財対応手法の確立
災害時に迅速に初動対応できるよう、文化財の被害確認や諸関連機関への連絡、被害状況に応じた救援要請などの具体的な対応の仕組みを確立する。
徳島県文化財保存整備市町村協議会、歴史資料保全ネットワーク・徳島、徳島県博物館協議会
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