茨木史料ネットより、「茨城史料ネット ニュースレター No.1」をお送りいただきました。
本号では、7/24の保全活動に関わるボランティア募集も行われております。
 
茨城史料ネットのニュースレター御希望の方がいらっしゃいましたら、御名前、御住所、電話番号、メールアドレスを明記の上、Eメールにて osm@mx.ibaraki.ac.jp まで御連絡ください。


 
【茨城史料ネット ニュースレター No.1】

□「茨城史料ネット」設立の御挨拶
 茨城でも、ついに史料ネットが発足しました。どうぞよろしくお願いします。震災直後のチラシ配りから始まった、私とその仲間たちのボランティアによる救済活動が、県内外から多くの賛同を得て、少しフォーマルなかたちをとることになりました。
正式名称では、「歴史資料」の前に、「文化財」と入れてみました。文化財を扱う多様な分野の救済活動とも手を携えるためです。「準備会」は、まだ取れていません。当面、東日本大震災からの復興支援の一環として活動し、組織としての体裁を考えるのは後回し、というメッセージです。
代表や幹事が活動方針を作る従来型の学会とは違い、史料救済のために、立場や専門分野を越えてボランティアで働きたいと考える人同士を結びつけることを役割とします。すでにご覧いただいている「申し合せ」の通り、それを、カタチで表すため、代表などの役職は置かないことにしました。会費を取らないのは、今回の大震災に何らかのかたちでかかわり、また持ち出しで救済活動にあたっている会員の皆様から、さらに会費を取りたくないと考えたからです。個人個人の状況に応じて、カンパをお願いします。また支援金などの寄付も受け付けます。郵便振替の口座は間もなく開設されますので、可能な方は、ご支援をお願いします。
事務局は、当面私を中心に、高村恵美さんと茨城大学の大学院生たちが担います。こうしたニュースレターを不定期で配信し、活動の状況と予定をお知らせします。ボランティアの募集等も合わせて行います。会員の皆様からの情報も、ぜひ掲載させていただきたいと思います。
全くの手探りで動き始めた未熟な史料ネットです。まだまだ試行錯誤が続きますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
          
茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク事務局 高橋 修

《参考》
茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク準備会(茨城史料ネット)についての申合せ

1 名称と組織
 この組織は、茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク準備会(通称:茨城史料ネット)と称する。茨城史料ネットは、広範な学会と連携を取りつつ、文化財や歴史資料を研究する者、これに関心をもつ者を、職場や研究分野を越えて相互に繋ぐボランティア組織であり、茨城県域およびその周辺の文化財や歴史資料の保全のために活動することを目的とする。

2 活動内容
(1) 東日本大震災で被災した文化財・歴史資料の救出と保全
(2) 東日本大震災で被災した文化財・歴史資料に関する記録作成
(3) 東日本大震災の被災地を中心とする市民の文化財・歴史研究活動の支援
(4) その他の大規模災害にともなう文化財・歴史資料の救出と保全

3 役員
 代表(会長)等の役員は置かない。暫定的に事務局を茨城大学人文学部高橋修研究室(水戸市文京2-1-1 Tel.029-228-8120 
Mail.osm@mx.ibaraki.ac.jp)に設ける。

4 会費等

 寄付は受けるが、会費は徴収しない。

5 入会
 事務局に所定の様式で届け出る。

□東日本大震災 茨城の文化財・歴史資料の救済・保全のための緊急集会 文化財・歴史資料の救済のために、いま、何ができるのか」 概要報告
 日時 2011年7月2日(土)13時開会(17時40分閉会)
 会場 茨城大学理学部 K棟 1階 インタビュースタジオ
 主催 茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク準備会
 後援 茨城県教育委員会 茨城県立歴史館 茨城大学人文学部
 参加者 約120名

 趣旨説明「茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク準備会―活動の記録―」高橋修(茨城大学)
 第一部
  1.「いま歴史資料救済のために何をすべきか、何ができるのか―阪神・淡路大震災の歴史資料保全活動から―」奥村弘(神戸大学大学院)
  2.「いま歴史資料救済のために何をすべきか、何ができるのか―地震・津波被災史料保全の後方支援活動―」松下正和(近大姫路大学)
 第二部
 1.「茨城県内の文化財・歴史資料の被害状況と救済活動」吹野冨美夫(茨城県教育庁文化課)
 2.「東日本大震災における北茨城市の文化財被害」山川千博(茨城大学大学院)
 3.「茨城県内石造物関連資料について」森木悠介(茨城大学大学院)
 4.「常陸太田市の被災状況と救済活動」西野保(常陸太田市教育委員会文化課)
 5.「東日本大震災における常陸大宮市の文化財被害」高村恵美(常陸大宮市歴史民俗資料館)
 6.「東日本大震災に伴う那珂市内文化財等の被災状況」仲田昭一(那珂市歴史民俗資料館長)
 7.「茨城県内の文化財・歴史資料の被災状況と救済活動」沼澤佳子(茨城県立歴史館)
 8.「東日本大震災の被害状況と震災後の活動について」萩谷良太(土浦市立博物館)
 9.「茨城県内の文化財・歴史資料の被災状況と救済活動―桜川市の現状と課題―」宇留野主税(桜川市教育委員会)
 10.「『新治考古館』の被災状況」大谷昌良(筑西市教育委員会)・宇留野主税(桜川市教育委員会)
 11.「鹿行地域の震災被害と鹿嶋市で行った資料救出活動」白井哲哉(筑波大学)
 12.「千葉県香取市佐原地域の状況」生駒哲郎(日本史史料研究会)
 13.「千葉県における歴史資料保存についての取り組みについて」石橋一展(千葉歴史学会)
 14.「東日本大震災における文化財被害―茨城県行方市と栃木県大田原市の場合―」前川辰徳(大田原市那須与一伝承館)
 提言「茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク準備会(茨城史料ネット)についての申合せ」高橋修(茨城史料ネット事務局)

震災発生から4ヶ月近くが経過し、津波被害以外の地域でも家屋の解体や倒壊した石造物の撤去などが始まっています。文化財が永久に失われる危機感が日増しに募る中、資料ネット(準備会)へ持ち込まれるレスキュー案件も6月以降急増しています。
我々はそうした茨城県における現状を把握し、それぞれの抱える問題を共有し合うことを目的に緊急集会を開きました。
集会ではまず歴史資料ネットワークの奥村弘さんと松下正和さんに御講演をいただき、今何をすべきか、これから何ができるのかについて、これまでの御経験を踏まえた実地の技術とともに資料ネットの理念についてお話しいただきました。その後、県内の研究者、文化財担当者や福島・栃木・千葉といった隣接県の状況を12名が報告し、意見交換を行いました。
県内各地の被害は思った以上に大きく、今後の活動の重要性を感じるとともに、不安を感じるところでもあります。県内外の研究者、賛同者、各地の資料ネットの方々に御協力をいただき、小さな歩みを始めた茨城を支えていただければと思います。 
 
□これまでの主な活動
・鹿嶋市 龍蔵院水損文書レスキュー(5/12~)
・牛久市 解体されたS家の土蔵と資料確認(6/12)
・常陸太田市 被災家屋より救出のフスマ下張り文書解体作業(6/29~)
・大洗町文化センター 津波被害を受けた行政文書レスキュー(6/22~)
・大洗町 被災した旧家の史料整理(7/7)
・北茨城市 解体家屋よりフスマ下張り、古文書等レスキュー()
・水戸市 被災した水戸城下の旧商家所蔵資料レスキュー(6/22) 
 
□ボランティアを募集します
・津波被害を受け、所蔵史料が被災した龍蔵院の史料群の目録作成作業
・7月24日(日)13時 龍蔵院集合(龍蔵院:鹿嶋市荒野56-2)
※申し訳ありませんが熟練者のみの募集とします。
・現地はトイレの設備が十分ではありません。近くまで御案内します。
・応募多数の場合、作業スペースの関係で人数制限をさせていただく場合があります。必ず7月20日(水)までに高橋osm@mx.ibaraki.ac.jpまで御応募ください。 
 
□茨城史料ネットのニュースレター御希望の方がいらっしゃいましたら、御名前、御住所、電話番号、メールアドレスを明記の上、Eメールにてosm@mx.ibaraki.ac.jp まで御連絡ください。