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歴史資料ネットワークは、被災市町村や兵庫県の協力を得て、1995年から三年間、のべ800人のボランティアを組織し、被災地を巡回調査しながら、文献資料等段ボール箱1500箱に及ぶ近世から現代に及ぶ貴重な歴史資料を被災地で救出しました。2000年からは、神戸市文書館と協力し、長田区駒ヶ林地区、西代地区などの震災後の総合史料調査をすすめています。 また被災地の歴史文化全体の復興を重視し、関係団体と協力し「歴史と文化をいかす街づくりシンポジウム」を二度にわたって開催、文献資料だけでなく、石造文化財や埋蔵文化財の保全にも尽力しました。被災地の市民を励まし、復興における歴史文化の持つ意義について理解を得るため「歴史と文化を考える市民講座」を95年から、98年まで8回に渡って被災自治体の共催もしくは後援、および兵庫県の後援のもと巡回して開催しました。さらに東灘区森地区でのミニ市民講演会、兵庫津連続市民講演会を開催し、地域住民の歴史文化を発展させるさまざまな動きを援助してきました。 一方、震災そのものを記録保存するために、21世紀創造協会、阪神大震災記念協会、県文書課や、神戸市文書館、県内の公立図書館や市民団体などに積極的に働きかけ、相互の調整をはかるとともに、保存のあり方について具体的な提言をおこなっています。また1999年10月の台湾大震災では現地を訪問、阪神淡路大震災の経験を伝えました。さらに2000年の鳥取県西部地震、2001年3月の芸予地震では、経験を伝えるのみでなく、神戸市から被災地へ多くのボランティアを派遣しました。2003年7月に発生した宮城地震でも、現地で活動をすすめている歴史研究者や地元の市民の方々と連携し、支援のセンターとして全国からの募金のとりまとめやボランティアの調整を行っています。 史料ネットでは、被災地域における歴史資料の現状・被害に関する情報提供や、回収・保全についての相談、援助の依頼などを広く受け付けています。古文書や古い記録などを所蔵され、保管についてお悩みの場合、是非史料ネットにご一報下さい。運び出しのお手伝いや保管場所の斡旋などの御相談に応じさせていただきます。 |