記録と記憶をみらいへ

2002年の活動

歴史資料ネットワーク2002年度活動報告

1 被災史料の整理や被災地での読査活動

事務局保管の資料整理は、院生・学生・市民などのボランティアによって進められた。神戸大学では準備会を含め10回の整理が実施され、のベ86名の参加で約5箱分が終了した。さらに神戸女子大学で4箱分の整理も進行中である。また震災後の巡回調査を発展させた総合史料調査は、長田区で確認した史料を神戸市文書館との連携事業(緊急地域雇用促進特別交付金事業「市民から引き継いだ古文書整理等」)で整理を実施した。

さらに今年度発足した神戸大学文学部地域連携センターが東灘区で開始した同様の調査にも、積極的に協力した。

  • 準備会 2002年6月12日 参加者21名
  • 第1回 7月14日 参加者11名
  • 第2回 9月7日 参加者12名
  • 第3回 10月26日 参加者7名
  • 第4回 11月16日 参加者11名
  • 第5回 12月15日 参加者10名
  • 第6回 2003年2月2日 参加者13名
  • 第7回 3月8日 参加者8名
  • 第8回 4月13日 参加者6名
  • 第9回 5月10日 参加者7名

2 市民との連携を重視した地域史研究の取り組み

4回実施した「市民歴史講座Jでは、研究成果の地核への還元とともに、会費制の「懇親会(ワインパーティー)」を催して、地域の住民や文化団体との交流や意見交換に努めた。

  • 第1回震災復興市民歴史講座「震災後の発掘で変わる古代史像」
    • 2002年6月16日(日) 13:00~16:30 @神戸市東灘区深江会館 参加65名
    • 報告者:森岡秀人(芦屋市教育委員会)、岡田精司(元三重大学)
    • スライド上映:天羽育子(史料ネット・神戸女子大学院生)
  • 第2回震災復興市民歴史講座「よみがえれ、兵庫の中世」
    • 2002年10月6日(日) 13:00~16:30 @神戸市兵庫区能福寺講堂 参加112名
    • 講演:藤田明良(天理大学助教授)「新史料にみる兵庫津の興亡」
    • スライドと展示:岡田章一(兵庫県教育委員会)・阿部功(神戸市教育委員会)「地下から出てきた町なみと暮らし」
    • 共催:兵庫津の文化を育てる会
    • 後援:兵庫県教育委員会埋蔵文化財調査事務所・兵庫区役所
  • 第3回震災復興市民歴史講座「市民と深める阪神間の江戸時代史」
    • 2002年11月10日(日) 13:00~16:40 @尼崎市園田学園女子大学参加105名
    • 講演:横田冬彦(京都橘女子大学教授)「江戸時代の書物と読書」、サブ報告:木村修二(関西大学大学院)・石川道子(伊丹市博物館) 「震災後の市民による古文書を読む会の展開と成果」
    • 後媛:NPO法人シンフォニー・宝塚市教育委員会・尼崎市・神戸市文書館
    • 協力・会場提供:園田学園女子大学
  • 第4回震災復興市民歴史講座「神戸の空襲・戦災史をさぐるJ
    • 2003年4月27日(日) 13:00~16:30 @神戸市灘区神戸青年学生センター(午前中に見学ウォーキングを実施) 参加61名
    • 講演:中田政子(神戸空襲を記録する会)「神戸大空襲について」、 辻川敦(火垂るの墓を歩く会)「米軍資料から見た神戸大空襲」
    • パネルディスカッション:「最近の取り組み・研究の動向と課題」佐々木和子(神戸大学文学部地域連携研究員) 、飛田雄一(神戸青年学生センター)、正岡茂明(火垂るの墓を歩く会)
    • 共催:神戸空襲を記録する会
    • 後援:神戸青年学生センター

また長岡区西代の史料のうち、整理終了分について小講座を開催し成果を地域に還元した。
さらに、尼崎市の富松械を活かすまちづくり委員会の諸企画、「火垂るの墓を歩く会」、シンポジウム「公害・環境問題資料の保存・活用ネットワークをめざして」に後援・協力した。他には、神戸大学文学部地域連携センター主催の歴史文化をめぐる地域連携協議会「地域歴史遺産の新しい活用のあり方を考える」に発言参加した。

  • 現地見学会とシンポジウム「戦国の城・富松械の実像に迫る」
    • 2002年6月8日(土)
    • 主催:富松城跡を活かすまちづくり委員会
  • 第4回「火垂るの墓を歩く会J
    • 2002年8月3日(土)、6日(火)
    • 主催『火垂るの墓を歩く会j 実行委員会
  • シンポジウム「公害・環境問題資料の保存・活用ネットワークをめざして」
    • 2002年7月21日(日) 於:四日市市
    • 主催:(財)公害地場再生センター・四日市公害を記録する会
  • 「見直そう尼崎の宝・中世の富松城」展
    • 2002年11月28日(木) ~ 12 月1日(日) 於:富松神社
    • 主催:富松城跡を活かすまちづくり委員会
  • 第1回歴史文化をめぐる地域連携協議会「地域歴史遺産の新しい活用のあり方を考える」
    • 2003年3月2日(日) 於:神戸大学滝川記念学術交流会館
    • 報告:松下正和「史料ネット活動について」
    • 主催:神戸大学文学部地域連携センター、『平成14年度大学改革等推進経費報告書歴史文化に基礎をおいた地域社会形成のための自治体等との連携事業』(神戸大学文学部、2003年3月)に掲載
  • 「市民から引き継いだ古文書整理等」事業成果市民講座「歴史ある町神戸―村の古文書からみる西代のむかし」
    • 2003年5月11日(日) @神戸市長田区、シューズプラザ 参加 名
    • 添田仁「西代協議会所蔵文書と西代村」、河野未央「近世西摂津地域の村々と年貢米輸送」、奥村弘「西代村の明治維新」
    • 主催:歴史資料ネットワーク
    • 後援:長田区役所 協力:西代協議会

3 震災記録保存

5月26日の総会に合わせて人と防災・未来センター(一期工事分)の見学会を実施した。さらに2003年2月19日に開催された震災資料の保存・活用に関する地域連携研究会(於・人と防災・未来センター、主催・神戸大学文学部地域連携センター)に参加し、意見交流を行った。

4 災害対策

5月26日の総会後に研究集会「災害と歴史資料ー各地の史料(資料)ネットの活動から」を開催し、山陰・愛媛・広島・山口の各史料(資料)ネットの経験をもとに、資料保存や大規模災害対策に関する意見交流を行った。さらに、この内容をもとに『歴史評論』633号(2003年1月発行)に「特集 遺跡の保存・活用と歴史認餓災害と歴史資事―史料ネットの経験から」を掲載した。また、緊急対応基金を創設し100万円を計上した。

  • 研究集会「災害と歴史資料ー各地の史料(資料)ネットの活動から」
    • 2002年5月26日(日) @人と防災未来センター
    • 藤田明良「歴史資料ネットワークの活動と課題」、小林准士(山陰史料ネット)「山陰史料ネットの活動について」、久保隆史(広島史料ネット)「広島歴史資料ネットワークの芸予地震被災資料(史料)救出活動」、寺内浩(愛媛資料ネット)ペーパー報告
  • 『歴史評論』633号(2003年1月発行)「特集ー遺跡の保存・活用と歴史認識災害と歴史資料一史料ネットの経験から」
    • 佐賀朝「被災史料救出活動の新展開」、藤田明良「歴史資料ネットワークの活動の展開と課題」、小林准士「山陰史料ネットの活動について」、寺内浩「愛媛資料ネットの活動と今後の課題」、保坂裕興「発言―災害と歴史資料によせて」

5 情報発信と会員拡大

ホームページの整備をすすめ、各方面への情報発信の充実をはかった。ニュースレターは、予定どおり年4回の(2002年9月2日第29号、2002年11月5日第30号、2003年1月8日第31号、2003年4月17日第32号)発行した。メールニュースについてはテスト配信を1回実施するにとどまった。また、昨年度まとめた活動総括集の出版に向けた出版社との交渉を開始した。

この1年間の書籍販売実績は、計129,452 円の売上(『神戸と平家』68冊、シンポ記録集2冊、『史料ネット総括集』5冊)があった。最後に5月1日現在の会員は103名・5学会、サポーター36名、ニュースレター購読者60名である。

(2003年度総会議事録より)

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