東日本大震災から、2年が経ちました。わたくしたち歴史資料ネットワークは、大震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災地で日々生活を取り戻しておられる被災者の方々に、お見舞い申し上げます。

歴史資料ネットワークは、東日本大震災以来、被災地の様々な記憶を未来に引き継いでいくために、被災した歴史資料の保存をすすめるとともに、東日本大震災の記憶そのものを未来に引き継いでいく被災地での様々な活動を支援してまいりました。

東日本大震災から二年が経ちますが、被災地では、様々な課題が新たに持ち上がり、生活の復旧、復興もまだまだこれからです。阪神・淡路大震災の場合もそうであったように、文化の領域の復興は、その中でも、もっとも長期にわたる時間が必要な分野です。

さらに東日本では、阪神・淡路ではなかった大規模な余震が続いており、古い家屋の劣化と解体、それに伴う歴史資料の保存作業がなお継続中で、茨城県等では、これからさらに拡大する可能性もあります。また各地域での多様な被災状況があり、福島県では原発事故による困難な事態も継続しています。

歴史資料ネットワークは、被災地各地の歴史資料保全のためのネットワークと協力しながら、今後も被災地での歴史資料の保全活用、震災資料の保存活動について支援を進めていきたいと考えております。皆様方には、今後もいっそうのご支援、ご協力の程よろしくお願いします。

2013年3月11日

歴史資料ネットワーク代表委員  奥村 弘