ボランティアセンターで活動されているボランティアの方々
史料所蔵者の方々
文化財担当部局へのお願いです。

各地で風水害による浸水、土砂崩れなど多くの被害が発生しています。
被災された方々にはお見舞い申し上げます。
一日も早く生活が復興することをお祈り申し上げます。

■2004年の台風23号で水損・汚損資料をレスキューしました
史料ネットは2004年の台風23号の際に、京都府北部・兵庫県北部地域において
水で濡れたり、泥で汚れた歴史資料をレスキューしました。
この活動は単に歴史資料をレスキューするだけではなく、蔵の整理や掃除も含め
被災者の生活復興のためのボランティアとして行ったものです。
詳しくは、下記を参照してください。
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/article/271028681.html

■歴史資料って何?
「うちにはそんな古いもの・貴重なものなんてないわ…」とすぐに処分しないでください。
下記のようなものもムラやマチの歩みを示す貴重な歴史資料になります。
国や県や市町村による指定文化財だけが歴史資料ではありません
 ◎古文書(くずした文字で和紙に書いたものなど)
 ◎古い本(和紙に書かれて冊子にしてあるものなど)
◎明治・大正・昭和の古い本・ノート・記録(手紙や日記など)・新聞・写真・絵
◎古いふすまや屏風(古文書が下貼りに使われている場合がよくあります)
◎自治会などの団体の記録や資料
◎農具、機織りや養蚕の道具、古い着物など、物づくりや生活のための道具など
水や泥で汚れて一見するとゴミにしか見えないものでも歴史資料である場合があります。
これらのものは捨てたり焼いたりせず大切に保管下さい。早急な処置によって、修復が可能な場合があります。

■どこにあるの?
これらのものは
旧家の母屋や蔵、あるいはその中の木箱や和箪笥、長持など
公民館のロッカーやその中の段ボール箱などに収められていることが多いです。

■どこに相談すればいいの?
泥かきボランティアの方は、処分する前に所蔵者に確認してください。
また史料所蔵者の方々も安易に廃棄・売却などせず、
処置に困ったら歴史資料ネットワーク(メール:s-net@lit.kobe-u.ac.jp)までご相談ください。
行政の方々も復興業務で日々大変なご苦労があろうかと思います。
ライフラインが復旧し、文化財業務に戻った段階ででも結構ですので
地域の歴史資料の安否確認活動や被災史料の保全活動にご協力賜れば幸いです。

■濡れた資料はどう扱えばいいの?
歴史資料ネットワークのHP「水損資料の取り扱いについて」をご覧ください。
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/~macchan/suison-siryo.htm

■なぜ保全する必要があるの?
歴史資料ネットワーク(事務局・神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター内)は、1995年に発生した阪神・淡路大震災の被災地で、歴史資料をはじめとした文化遺産の救出・保全をおこなってきた、歴史研究者を中心としたボランティア団体です。
私たちは、その際に、全国の歴史学会など関係団体から支援をうけて、自治体や市民と協力しながら、地域社会の民間資料の救出や文化財の被害調査などをおこなってきました。また、2000年鳥取県西部地震や2001年芸予地震・2003年宮城県北部連続地震や、2004年福井水害・台風23号の際にも被災地における歴史資料の保全・再生に取り組んでまいりました。
私たちがこのような活動を行ってきたのは、災害が起きるとそれを契機に家や蔵に古くから置かれていた歴史資料が破棄・処分されてしまうことがよくあるからです。これまでも、私たちが駆けつけた時にはすでに歴史資料が処分された後であったということが何度もありました。
家々にはさまざまな形で家の記録や地域の歴史を伝えるものが数多く残されています。しかし、今回の風水害や地震により長く伝えられてきた古い文書や記録などがなくなってしまうとすれば、それは家にとっても地域にとっても残念なことといわざるをえません。
地域や家の歴史を復元するための唯一かつ貴重な地域の歴史資料の保全活動にご協力を賜れば幸いです。