■第8回 地域歴史資料学研究会
県内文化財防災体制構築研究会~山崎断層地震への備え
 
・日時:2010年9月28日(火)14時~
・場所:小野市民会館1階会議室
    〒675-1380 小野市王子町806-1
    TEL0794-63-1020  
・報告者:大村敬通さん(小野市立好古館)「小野市における文化財防災体制」
      村上裕道さん(兵庫県教育委員会文化財室)「兵庫県内における文化財防災体制」
 
 1995年阪神・淡路大震災以降、兵庫県内において文化財保全をめぐる、行政・大学・住民団体・各種NPOとの協同が進められてきました。この蓄積にもとづき、2004年の台風23号や2009年の台風9号における水損史料保全活動もおこなうことができました。しかし、これらの活動は、主に個々人のネットワーク対応に基づいた、ボランティアベースの活動で成り立っており、その基盤は脆弱です。 
 また、兵庫県は今年の5月20日、県内で最大震度5強以上をもたらす恐れのある計24地震(県内を震源とする8地震と近隣府県の13地震、海溝型の3地震)について、予測震度分布を発表しました。播磨地域で最大震度7を予測する「山崎」や「有馬‐高槻」「六甲・淡路島」など従来の分に、北播磨・丹波地域で同6強の「御所谷」や、但馬地域で同6弱の「養父」など、これまで想定の範囲外であった断層帯も加わり、県内の「予測の空白域」はなくなりました(『神戸新聞』)。さらには温暖化に伴う連続台風や集中豪雨被害も年々増加し、地域の歴史資料が滅失する危険性は高まりつつあります。
 このような中で、県内における文化財の保全と防災をめぐるあり方を考えることは緊急の課題となっています。現在も整備の進みつつある、県の地域防災計画や「近畿府県防災・危機管理協議会」などの動向をふまえ、県内における文化財の防災・災害対応体制について話し合う予定です。皆様のご参加をお待ちしております。
 
主催:科学研究費補助金基盤研究(S)「大規模自然災害時の史料保全論を
    基礎とした地域歴史資料学の構築」〔研究代表者:奥村弘〕研究グループ
問い合わせ先:神戸大学大学院人文学研究科
          松下正和(078-803-5501,macchan@lit.kobe-u.ac.jp)、三村昌司(078-803-5571)