歴史資料ネットワークでは2016年3月より、東日本大震災で津波被害にあった岩手県大船渡市赤崎町S家の資料群を受け入れ、ドライクリーニング作業を行ってきました。
多くの方々にご参加をいただきましたおかげで、ドライクリーニング作業は昨年12月に終了しました。
それにともない、このたび作業の経過や成果について、下記の要領で大船渡市でシンポジウムを実施する運びとなりました。
多くのみなさまにご参加いただきますよう、お願い申し上げます。

なお現在、4月以降に神戸での報告会の開催を企画しております。詳細が決定次第、HPにて告知いたします。
また、赤崎町S家資料につきましては2月12日より撮影作業を開始します。
こちらの作業についても、引き続き多くの方の参加をお待ちしております。

東北大学災害科学国際研究所シンポジウム「歴史をつなぐ、人をつなぐ―旧気仙郡における被災史料保全活動―」

6年前の東日本大震災によって岩手県沿岸南部の都市は大きな被害を受けました。かつて気仙郡と呼ばれていた頃の歴史や文化を示す様々な歴史資料が被災し、消滅の危機にありました。
こうした被災史料を救うため、震災直後から全国各地から様々な人々が駆けつけて歴史資料のレスキュー活動を実施しました。また、今日もなお各地で続けられている保全作業の中で、大船渡市や釜石市の新しい歴史の側面が見えてきました。
このシンポジウムでは、被災史料のレスキュー活動や保全作業、さらにそこから見えてきた旧気仙郡の新たな歴史について、実際に作業に携わっている報告者がその活動内容を報告します。

  • 日 時 : 2017年3月4日(土)13:00~16:30
  • 会 場 : 大船渡市魚市場 多目的ホール
  • 事前申し込み不要、入場無料

プログラム:

閉会挨拶
  • 蝦名 裕一(東北大学災害科学国際研究所)
報告①(13:10~13:30)
  • 「東日本大震災と史料保全ネットワーク」
    奥村 弘(神戸大学大学院人文学研究科、歴史資料ネットワーク代表)
報告②(13:30~13:50)
  • 「大船渡市の被災した個人所蔵資料救済処置」
    金野 聡子(紙本・書籍修復士)
報告③(13:50~14:10)
  • 「京都造形芸術大学における被災史料の保存処置と修復」
    大林 賢太郎(京都造形芸術大学歴史遺産学科)
休憩(14:10~14:20)
報告④(14:20~14:40)
  • 「佐々木家資料クリーニング作業の経過と今後の展望」
    小野塚 航一・加藤 明恵(神戸大学大学院人文学研究科、歴史資料ネットワーク事務局)
報告⑤(14:40~15:00)
  • 「大船渡湾開発と地域社会―被災史料からみる大船渡の近代」
    川内 淳史(神戸大学大学院人文学研究科、歴史資料ネットワーク副代表)
報告⑥(15:00~15:20)
  • 「唐丹村文書の保全活動と昭和三陸津波地震」
    熊谷 誠(三陸ジオパーク推進協議会)
報告⑦(15:20~15:40)
  • 「唐丹村文書から何がわかるのか―兵事史料を中心に」
    佐々木 啓(茨城大学人文学部)
休憩(15:40~15:50)
パネルディスカッション(15:50~16:25)
閉会(16:30)

主催

共催

  • 歴史資料ネットワーク
  • NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク
  • 三陸ジオパーク推進協議会
  • 科学研究費補助金基盤研究S「災害文化形成を担う地域歴史資料学の確立―東日本大震災を踏まえて」研究グループ
  • 防災・災害から都市レジリエンス学の構築「記憶継承による災害文化形成に向けた文理融合研究―災害史料を活用して―」研究グループ

お問い合わせ

東北大学災害科学国際研究所 災害文化研究室(担当:蝦名)
tel&fax:022-752-2146
mail:ebin◆irides.tohoku.ac.jp(◆を半角@に変えてください)

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