第5回目となる全国史料ネット研究交流集会の開催が決まりましたので、お知らせいたします。今回は開催地を新潟として、今年発生した様々な災害を前提に、複合災害・広域災害においての資料保全活動のあり方について展望します。また、今年は各地団体からの報告については、口頭報告だけではなくポスターセッションを充実させることで、参加者の皆さんのさらなる交流を図っていきたいと考えています。
口頭報告やポスターセッションについての参加団体や、懇親会(事前申し込み制)の詳細については、決定次第この場でお知らせいたします。
今回も全国各地からの多数のご参加をお待ちしております。
第5回 全国史料ネット研究交流集会 (11/17(土)・11/18(日)開催)のお知らせ
1995年の阪神・淡路大震災を機に設立された歴史資料ネットワークを皮切りに、全国各地で20以上の資料ネットが立ち上がり、互いに協力しつつ、災害から歴史資料を保全し、災害の記録を保存する活動に取り組んでいます。2014年7月には国立文化財機構内に「文化財防災ネットワーク推進本部」が設置され、歴史・文化遺産の防災に向けた全国的な連携体制づくりの強化が進められています。また、資料ネットの取り組みを支援し、地域社会における歴史文化の継承と創成に向け、人間文化研究機構では2017年度より「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」を開始しました。本事業では、各地の大学を軸にした資料ネット相互のネットワークを構築し、災害時における相互支援体制や資料の保存研究・活用に向けた体制作りを目指します。
2015年2月、阪神・淡路大震災と歴史資料ネットワークの活動開始20年の節目に、神戸で開催された第1回集会では、「『地域歴史遺産』の保全・継承に向けての神戸宣言」が採択されました。東日本大震災5年の節目にあたる2016年3月には、被災地の一つである福島で第2回集会が開催され、被災地で取り組まれてきた活動から得られた経験を共有し、大規模災害に対する日常的な備えのあり方を展望しました。2016年12月には愛媛において第3回集会が開催され、昭和南海地震70年にあたり、保全資料の活用を通して、災害に強い地域社会をいかに形成するかについて考えました。さらに2017年1月には岡山で第4回集会が開催され、災害「前」の日常時の多様で豊かな実践を共有し、地域歴史遺産の「減災」をはかることが議論されました。
そしてこのたびの第5回集会は、2018年11月に新潟で開催するはこびとなりました。2018年は、4月の島根県西部地震、6月の大阪北部地震、さらにその後、上記の地震被災地を含む各地で甚大な被害を生じさせた7月の西日本豪雨と、立て続けに災害が発生しました。この状況の中で、資料保全活動は複合災害・広域災害にどのように対処するか、という問題を考えることが喫緊の課題となっています。
今回の集会ではこの課題について、2004年の中越地震以降今日まで資料保全活動が続けられてきた新潟で、これまでの各地での経験をふまえつつ、2018年に発生した災害に直面した各ネットの具体的な経験と実践を受けとめ、研究交流を深めることを目的としたいと考えます。
ぜひ全国から多くの関係者にお集まりいただき、議論と交流を深めていきたいと考えています。
- 日 時 : 2018年11月17日(土)13:00~17:45、11月18日(日)10:30~13:00(終了時刻は予定)
- 会 場 : 新潟大学中央図書館ライブラリーホール(新潟市西区五十嵐2の町8050番地)
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- 鉄道:JR新潟駅からJR越後線に乗車、「新潟大学前駅」から徒歩15分
- バス:JR新潟駅(万代口駅前バスターミナル)から新潟大学行バス乗車、「新大中門」下車徒歩1分
- タクシー:JR新潟駅(万代口)より約30分
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- 主 催 :
第5回全国史料ネット研究交流集会実行委員会
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構(基盤機関:国立歴史民俗博物館) - 共 催 :
独立行政法人国立文化財機構
科学研究費補助金基盤研究(S)「災害文化形成を担う地域歴史資料学の確立―東日本大震災を踏まえて―」(研究代表者:奥村弘)研究グループ - 後 援 :
新潟大学人文学部、新潟大学災害・復興科学研究所、新潟史学会、新潟歴史資料救済ネットワーク、歴史資料ネットワーク、岡山史料ネット、広島歴史資料ネットワーク、山陰歴史資料ネットワーク、愛媛資料ネット、山形文化遺産防災ネットワーク、ふくしま歴史資料保存ネットワーク、宮崎歴史資料ネットワーク、鹿児島歴史資料防災ネットワーク、茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク、神奈川地域資料保全ネットワーク、歴史資料保全ネットワーク・徳島、岩手歴史民俗ネットワーク、福井史料ネット、三重県歴史的・文化的資産保存活用連携ネットワーク、千葉歴史・自然資料救済ネットワーク - 参 加 費 : 無料(事前申し込み不要)
プログラム:
11月17日(土) 13:00~17:45
開会挨拶
- 矢田 俊文 氏(第5回全国史料ネット研究交流集会実行委員会委員長)
- 佐藤 信 氏(大学共同利用機関法人 人間文化研究機構理事)
基調講演(13:10~13:50)
- 矢田 俊文 氏(新潟大学人文学部教授/元新潟歴史資料救済ネットワーク事務局長)
「災害史研究と複合広域災害・資料保全」
事業報告(13:55~14:25)
- 天野 真志 氏(国立歴史民俗博物館特任准教授)
「「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」が目指すもの」
休憩 (14:25~14:35)
各地からの報告① 西日本豪雨 被災地からの報告(14:35~15:35)
- 鈴木 あかり 氏(愛媛資料ネット/愛媛大学大学院M1)
「西日本豪雨と愛媛資料ネットの取組」 - 上村 和史 氏(岡山史料ネット)
「広域災害への対処をめぐって―西日本豪雨被災資料、救出・保全の現場から―」 - 西向 宏介 氏(広島県立文書館)
「広島県における「平成30年7月豪雨」被災文書の保全活動」
ポスターセッション・交流 (15:35~16:15)
<ポスター報告団体・報告者>
- ふくしま歴史資料保存ネットワーク (渡邉 歩 氏)
- 千葉歴史・自然資料救済ネットワーク (小関 悠一郞 氏/大関 真由美 氏)
- 歴史資料保全ネット・わかやま (蘇理 剛志 氏)
- 歴史資料ネットワーク (仲田 侑加 氏)
- 歴史資料保全ネットワーク・徳島
- 愛媛資料ネット (峯松 拳大 氏)
- 熊本被災史料レスキューネットワーク
- 鹿児島歴史資料防災ネットワーク (深瀬 浩三 氏)
- 被災建物・史料救援ネット(長谷川 順一 氏)
- 中越防災安全推進機構 (玉木 賢治 氏)
- 十日町市教育委員会文化財課 (村山 歩 氏)
- 人間文化研究機構
- 国立歴史民俗博物館メタ資料学研究センター
各地からの報告② 先行する災害経験から(16:15~17:35)
- 三国 信一 氏、田邊 幹 氏(新潟県立歴史博物館)
「新潟県立歴史博物館の広域支援の取り組み」 - 田中 洋史 氏(長岡市立中央図書館文書資料室)
「長岡市立中央図書館文書資料室と新潟歴史資料救済ネットワーク-14年間の連携を振り返って-」 - 白井 哲哉 氏(茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク/筑波大学)
「原子力災害の被災自治体における資料レスキューから災害アーカイブズの構築へ」 - 佐藤 大介 氏(NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク/東北大学災害科学国際研究所)
「東日本大震災後の自然災害被災地への支援―個人的経験から―」
質疑応答(17:35~17:45)
懇親会(18:00~ )
懇親会は事前申し込み制となります。参加をご希望の方は、下記のページよりお申し込みください。
- 会場 : 新潟大学生協第一食堂(新潟市西区五十嵐2の町8050番地)
- 会費 : 5000円程度 (会費は当日徴収いたします)
- 参加申し込み受付URL
- 申込締め切り 2018年11月10日(金)
11月18日(日) 10:30~13:00
各地からの報告③ (10:30~11:30)
- 佐藤 宏之 氏(鹿児島歴史資料防災ネットワーク/鹿児島大学)
「鹿児島歴史資料防災ネットワーク、再始動―少ない人数で広範囲な地域の歴史資料を保全するために―」 - 松山 真弓 氏、山内 利秋 氏(宮崎歴史資料ネットワーク)
「隣接地域間での連携について考える」 - 宇野 淳子 氏(神奈川地域資料保全ネットワーク)
「他地域の経験に学び、みずからの地域で活かす―神奈川資料ネットの活動から―」
ポスターセッション・交流(11:30~12:00)
意見交流(全体討論) (12:00~12:50)
閉会挨拶
- 岡田 健 氏(独立行政法人国立文化財機構 文化財防災ネットワーク推進室長)
- 奥村 弘 氏(歴史資料ネットワーク代表委員)
【お問い合わせ】
第5回全国史料ネット研究交流集会実行委員会事務局
新潟歴史資料救済ネットワーク事務局(新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050 新潟大学人文学部・中村元研究室気付)
メール:nakamura.moto[at]human.niigata-u.ac.jp([at]を@に変えてください)
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