3月3日(土)に、千葉大学で下記のように「千葉歴史・自然資料救済ネットワーク」の発足集会が開催されます。
千葉県内で自然資料や歴史資料の被災情報の共有および救済活動の実施を行うためのネットワークの構築を目指すとのことです。
お近くの方は、ぜひ足をお運びください。(か)

 昨年3月11日に起こった東日本大震災から一年間が経とうとしています。東北地方の被害が甚大だったことはよく知られておりますが、千葉県内でも旭市などが津波の被害を受け、利根川沿いや江戸湾岸の埋め立て地では、広範囲で液状化現象が起こりました。
 このようななかで、東北地方では、宮城歴史資料保全ネットワークを中心に、すぐに被災地の状況についての情報が発信され、ここを基盤に資料レスキューの活動が組織されました。今後、遠くない時期に関東地方を襲う大地震が起こるだろうと想定されております。現在、関東地方では、すでに茨城・神奈川で資料保全あるいは救済のためのネットワークが結成されておりますが、同じく海に面している千葉県では、2009年に「千葉県文化財救済ネットワークシステム」(千葉県博物館協会地域振興委員会主導)が設立されたものの、残念ながらいざというときに情報を発信・共有し、有効な資料救済活動を組織できるような体制にはなっていないというのが現状です。
 緊急時に千葉県内の自然(たとえば標本など)・歴史資料の被災状況についての情報を速やかに共有でき、必要な救済活動を実施できるようにすることが、県内で様々な分野において資料の調査・研究に関わってきた者の責務だと考えます。
 そこで、このたび下記のような団体関係者のなかから、「千葉歴史・自然資料救済ネットワーク」(仮称:千葉資料救済ネット)を立ち上げ、メーリングリストを作成することから始めようということになりました。さしあたり、これまでに県内で歴史資料の調査・研究を行ってきた団体・機関・個人がもっている情報を、いざというときに集約・共有できること、救済活動が迅速にできることをめざし、連絡・情報共有化のためのネットワークをつくろうと考えています。
 下記の要項で、そのための発足集会を開催したいと存じます。
 団体でも、個人でもご参加いただけます。ふるってご参集くださいますようお願い申し上げます。
 なお、現在のところ、下記の団体が参加の意志を表明もしくは参加を検討中です。
印旛郡市地域史料保存利用連絡協議会・国立歴史民俗博物館東日本大震災被災文化財等救援対策室・
千葉大学教育学部日本史研究室・千葉大学文学部史学科・千葉歴史学会・房総史料調査会(あいうえお順)
日 時:2012年3月3日(土) 17時~19時20分
場 所:千葉大学人文社会研究棟 1階 マルチメディア講義室(JR西千葉駅下車・徒歩約10分)
参加費:資料代程度
【次 第】
・開会挨拶:後藤雅知(千葉大学教育学部日本史研究室)
・趣旨説明:久留島浩(国立歴史民俗博物館東日本大震災被災文化財等救援対策室)
            「千葉歴史・自然資料救済ネットワーク」立ち上げについて」
 
・個別報告①新 和宏氏(千葉県博物館協会)
      「千葉県内における資料ネットの発足経緯と課題
        -県博協主導の千葉県文化財救済ネットワークを起点として-」
      ②川口 康氏(香取市教育委員会)
      「東日本大震災における香取市の文化財の被災状況と復興への取り組み」
          ③藤方博之氏(千葉歴史学会委員)
          「佐倉市内での歴史資料レスキュー活動について」
・討論と採択
・まとめと閉会挨拶:菅原憲二(千葉大学文学部史学科)
★19:30~21:00頃まで懇親会を予定しています。ぜひご参加ください(会費2,000円程度)
  ※懇親会のお問い合わせ・お申込み先:歴博(後藤)goto@rekihaku.ac.jp】